JOY PLANET

[不定期・おやつじかん更新]

映画『ドラゴンクエスト/ユア・ストーリー』を観て【ネタバレ】

 国民的ゲームと言っても過言ではないくらいに、熱狂的なファンに愛され続ける(私もその一人)『ドラゴンクエスト』の映画公開が終了してから約1ヶ月。

今さら?と思われる方もいらっしゃると思いますが、公開後すぐのネタバレを避けた上での、敢えての、今さらの記事化ということでご理解いただければいいなと思います。

自分用の記録としても残したいと思ったことを書き連ねたので、興味がありましたらご覧頂ければと思います。

 

*ネタバレあり注意。DVDでの初鑑賞を楽しみにされている方は、閲覧をご遠慮ください。十分にDVDを楽しんだ上で、またお越し下さい!なお記事の内容は、あくまで個人的な感想です。

 

映画『ドラゴンクエスト』YOUR STOяY

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もくじ

 

 

♦︎ビジュアル・グラフィックについて

賛否両論あったこのドラクエ映画ですが、個人的にはビジュアル・グラフィックもキャラクターの表情や動きもとても良いと感じ、またDVDでも観たいなと思えるものでした。

どことなく、それぞれ声を演じた俳優・声優さんの面影を感じるのは気のせいでしょうか…。

しかしネットでは様々な批判・酷評もあったようなので、どうしても個人の好みによるのかなぁと思います。

 

♦︎ストーリーについて

子供の時にプレイした時の気持ちが蘇り懐かしい気持ちで、思わず涙ぐんでしまうシーンが幾つかありました。

ドラクエあるあるみたいな小ネタも満載で楽しかったです。

主人公を追いかけてくるスライムが度々どこかに潜んでいるので、スライム探しゲームもできます(笑)

本編とは異なる部分もありますが、それは” 映画版 ”として楽しむことにしましょう。

奇跡的にPS2版のドラクエⅤを入手して再プレイ中ですが、改めてこれだけ壮大でドラマティックなストーリーを一本の映画にまとめるのは困難だっただろうなと思わされます。

そもそも、このデータが一つのディスクに収まっているのが凄い。

ただ『ラスボスの真の姿』というのが、最もファンにとって賛否が分かれたところなのではないかと思います。

 

♦︎勝手に思ったこと

かなり制作に負担がかかると思いますが、公開日や時間帯によって本編の『花嫁・ビアンカ編』『花嫁・フローラ編』などの分岐上映、またはサイドストーリー的なものがあったらファンとしては嬉しかったなぁと思いました。

劇場へ足を運ばなければどちらの内容が上映されるかわからないというドッキリ的な仕掛けとかがあってもゲームっぽくて面白いと思いましたが、…うん。非現実的な案であることは…分かってますョ。ええ。

あと、やっぱり主人公の娘ちゃん(タバサ)も登場して欲しかった。。。

(実はドラクエⅤのキャラクターの中で一番好きなのは双子ちゃんなんです。)

 

♦︎好きなシーン

主人公リュカの息子アルス(←ロトの紋章からの命名ですかね?レックスじゃない説)が、リュカから天空の剣を受け取ったあと、鞘から抜き出すときに封印が解けるシーン。

(あまりにもカッコ良すぎてブワッと鳥肌がたち、涙目になりました)

 

♦︎泣けてくる切ないシーン

青年リュカが妖精の力を借りて過去へ戻り、過去の自分に会いに行ったとき姿は見えないパパスの声のする方を見つめるシーン。

(これ書いてるだけで泣けてくる)

 

♦︎あっても良かった?映画グッズ

・スライム型のメモリーカード・スティック

(もちろんデータを安全に見守ってくれる)

 

・天空の剣型の寝袋

(かなり深い眠りへと誘います。てか、封印します)

 

♦︎ちょっとした考察

 ーーーラスボスという存在について考えてみた

 

『ラスボスの真の姿』が元ゲームと違うのは、まっさらな状態からⅤをプレイしたいと思った人へのネタバレ配慮もあるのだろうなと思いつつも、その映画版ラスボスの真の姿によってそれまで夢見心地でいた懐古な気持ちを” 現実 ”という真実によって、一瞬にして粉々に打ち砕かれるショックは相当強かった。

何の心の準備もないのに、心のどこかで出来れば避けて通りたいと思っていた” 現実 ”を突然目の前に突きつけられる、戸惑い。

それまでの” 当たり前 ”が凶器に変わる危うさと恐怖。

目の前に現れた” 現実 ”は、落ちたら二度と這い上がれないような冷たい水底へと叩き落とす絶望そのもの。

それまで主人公リュカの気持ちとリンクして高揚していた気持ちが、一気に熱を失い血の気が引いていくような錯覚さえ覚えた。

 

どう抗おうが、真実からは決して逃れることはできない。

「そんなのわかってる。でも…」

内なる葛藤を呼び起こす、これらの概念そのものが今作のラスボスの正体であり、その恐るべき力は鋭く相手の弱点をえぐり出し、人の心の最も深く弱い部分にいとも容易く忍び込んで、人格を破壊し打ちのめす最恐の威力なのかもしれない。

それがたとえ、どの時代にどんな姿形をしていようと、人類にとって最凶の脅威の存在であることに変わりない。

そして、それはいつでも誰の心の中にも棲みつき蠢いているのだと。

 

リュカの物語を見守る立場であったはずの観客が、いつの間にか自分の物語《ユア・ストーリー》にすり替わり、観客自身の過去や現実に抱えている問題と向き合わせ、逃げ場もなく戦わされる。

非現実を楽しむはずだった映画が、” 現実 ”を突きつけてくる。

これが、純粋に『ドラクエⅤ』のストーリーを見ようと映画館を訪れたファン達にとっての、最大の” 大きな裏切り ”とも感じられた部分なのではないだろうか。

しかしその感情を観客に持たせることこそ、これまでのゲーム作品の中でラスボスと対峙してきた勇者達が感じてきたであろう脅威や絶望する感覚を、この映画を通してまさにVRのように感情をリアルに再現・共有することができたのではないかとも思う。

 

物の見方や切り取り方、眺める角度で簡単に信じていた世界がひっくり返ってしまう。

それでも物事から目を逸らさず、浮き彫りになった本質をありのまま受け入れ、そして向き合い、孤独でも戦えるのか否か。

己の人間性をも試される、そんな最終試練に立ち向かうとき、

 

君は、勇者になれるのかーーー?

 

 

  

 そういったことを伝えたかったのではないかと考えさせられました。